仁義なき戦い 映画寸評

日本映画史の金字塔

菅原文太主演の仁義なき戦いを見ました。

まず東映のクレジット直後、立ち上るキノコ雲の映像に合わせて仁義なき戦いのテーマ曲が鳴り響き、タイトルクレジット、焼け野原になった広島のシーンをバックにスタッフロールと続きます。
昭和二十一年から始まるこの物語が決して暴力を賛美している訳ではないことは、日本人なら映画の冒頭を見ただけで分かる作りになっています。まあ、反核かどうかは分かりませんが。
1973年。日本。主演、菅原文太。監督、深作欣二。

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極道に生き抗争に死ぬ

色眼鏡を通して見るから、この映画が暴力を賛美しているように見えるんです。暴力を賛美しているように見えるとしたら、それは見る側の問題です。
確かに、主人公を始め登場する人々の生き様は男らしい生き方だと思いますが、けっして器用な生き方とは思えません。仲間内で反目しあった結果、抗争にまで発展してしまうような生き方が、理想の生き方だとは思いません。少なくとも、彼らの生き方に憧れたりはしません。

ただただ、その不器用な生き様に男として共感を覚えるだけです。
己が胸の内を省みて、もっとうまく生きれたら良かったのに、と。

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仁義無き戦いの後に残るもの

終戦直後の焼け野原から、組として体裁を整えた山守組の血で血を洗う構想を描いたこの映画は、映像、ストーリー、音楽、役者の演技などなど、映画が持つすべての要素に見所が詰まった作品です。
後に実録シリーズと銘打たれる臨場感あふれる映像。最後の最後まで予測のつかないストーリー。聞く者の感情に訴えるBGM。

息つく暇もない怒涛の展開は今の映画にはない緊張感があります。この映画を見ていると、起承転結を忘れてしまうんですよね、本当に。なにしろ、ふと時計を見たら、残り十分だったんですから。それくらい、引きこまれた映画でした。

演技? それとも本気?

主演の菅原文太の演技ももちろんいいのですが、助演や脇役を務める役者の演技も凄みがあって素晴らしかったです。
一番目を引いたのが金子信雄(最初気づきませんでした。だって、髪の毛がある!)が演じた山守の狡猾さと山守の妻の掛け合いでしょうか。あと、田中邦衛さん演じる槇原もいいキャラしてました。

そうそう、松方弘樹さん演じる山守組の若頭・坂井がアパートの一室で広能と再会するシーンの演技には笑っしまいました。必見ですよ。

大根役者は一人もいない映画

この映画はキャスティングでも楽しめる映画になっています。川谷拓三さんは一作目から出てたんですね。
え? 蛭子さん? 蛭子能収さんに似た役者さんがいましたが、もちろん他人の空似ですよね?
エキストラとして出演していたなんてこと、ある訳ないじゃないですか!

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