天国と地獄 映画寸評

大滝秀治を探せ!

誘拐事件に巻き込まれた男の苦悩と葛藤、犯人逮捕に奮闘する警察と犯人の駆け引きを描いた作品。
1963年。日本。主演、三船敏郎。監督、黒澤明。

リンク先は天国と地獄のWiKiページです。

あなたはそんなことが出来る人じゃない

誘拐された他人の子供のために三千万円払えとは......この犯人はどこまで権藤を信頼しているのか。
当時の金額で三千万だから、今なら十倍以上の価値はある額の金を他人の子供のために払えと強要する犯人。権堂の性格を知り尽くしながらも、権堂に激しい憎しみをぶつける犯人に複雑な感情の渦を感じます。少なくとも自分は正義ではないことを自覚している。

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正真正銘の畜生だ

会社の重役たちとの会話から権藤が密かに進めていた株主総会での工作、誘拐事件発生を知るまでの流れが実にいい。
そして、一見すると腹黒いようでいながら靴作りにかける権藤の情熱の純粋さがつまびらかになるシーン。金を払ってしまったら自分は破滅してしまうことが分かっているが、人の命には変えられないと決断するシーン。どれも素晴らしい。

劇中の鞄は吉田カバン製

現金受け渡しのトリックは、どうだろう。七センチの隙間に七センチ厚の鞄はおそらく通らないのではないかと。もしも鞄の受け渡しに失敗していたら犯人は詰んだよね。同じ事をするわけにも行かないし。
と、受け渡し後に権藤が顔を洗うシーンは印象的だったけどシナリオかな?演出かな?アドリブかな?

見覚えのある役者たち

この映画には、見覚えのある昭和を代表する役者が大勢出演しています。
主役を張る三船敏郎と主任刑事を演じる仲代達矢に始まって、加藤武、北村和夫、志村喬、東野英治郎、千秋実、菅井きん。

WiKiを読んで気づいた人にウルトラセブンで長官を演じた藤田進、浜村純、西村晃、常田富士男、大滝秀治、藤原釜足。さすがに、名古屋章さんは一目で気づきました。あいにく花を買いに行くようなツラは一人もいません。
竹内銀次郎役の山崎努さんは最初気づきませんでしたが、斜めからのアップで自分が知っている山崎さんだと気づきました。いやー、若いなぁ。

贅沢しか知らんからそんなことが言えるんだ

この映画の見所は、ズバリ役者の演技です。権藤と河西が言い争う手前で仲代さんの苦笑交じりの顔もいいのですが、特に拘置所で権藤と犯人である銀次郎との接見シーンは必見です。凄まじき山崎さんの新人離れした演技。
あと、これはWiKiでしったのですが、物語の舞台設定は真夏でしたが撮影は冬に行われたそうです。えっ? あのシャツの汗ジミは? しきりに汗を拭うのも演出ですか? ......恐れ入りました。
恐れ入ったといえば、、現金を受け渡すこだま号でのシーン。実際に東海道本線を走行させて撮影しています。もちろん、一発撮り。想像するだけで胃に穴が空きそうです。

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