地獄の英雄 映画寸評

幸せはニュースにならん

ティータムはニューヨークの大新聞に勤めていたが勤務中に酒を飲んでいたことがバレてクビになり、どうにか地方の小さな新聞社に雇われる。スクープをつかんで大新聞に返り咲こうとするティータムだったが、田舎にスクープになるネタが転がっているはずもなく無聊をかこつ日々が続いていた。
そんな時、ティータムが取材に行く途中立ち寄ったガソリンスタンドで、レオという男が落盤事故で生き埋めになる事故に行き合う。ティータムは保安官をそそのかしてレオの救出を遅らせ、センセーショナルな記事を書いて事件を全米のトップニュースにでっち上げる。
ティータムはもろくみ通り大新聞に返り咲くことができるのか。生き埋めになったレオの生死は。レオの妻のロレインの計画はうまくいくのか。
1951年。アメリカ。主演、カーク・ダグラス。監督、ビリー・ワイルダー。

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埋もれているのは三人いる

新聞記者である主人公、ティータムの絵に描いたようなマスゴミっぷりに、腹が立って途中で見るのもやめようと何度も思ったほど、ティータムを演じるカーク・ダグラスの真に迫った演技がこの映画の一番の見所でしょう。
もちろん、ティータムのキャラクターを確立したシナリオもすばらしい。共同脚本であるビリー・ワイルダー監督はコメディ映画の印象がありましたが、こんな風刺映画も作っていたのですね。

もう二度とぶたないで

物語の流れや結末に関してはドンデン返しはありません。というか、アンチヒーローであるティータムがのうのうとニューヨークに凱旋する結末など観客が許しません。
しかし、ティータムが自らの行ないの報いを受けたからといって、観客の留飲が下がるわけでもない。胸の内には後味の悪さだけが残ります。夫の心配をするわけでもなく、金勘定に夢中になる妻の存在も大きかった。

公開当時はあまり興行成績もよくなかったそうですが、さもありなん。娯楽を求めている観客に説教するような内容の映画です。風刺というスパイスが強すぎて、まったく笑えません。まったく笑えませんが、風刺映画としては最高の部類に入る映画でしょう。

インディアンとウソとスクープ

灰汁が強すぎて見る人を選ぶ映画ですが、ぜひマスコミ関係の仕事をしている人に見てほしい映画です。あー、胸がムカムカする。口直しに何か楽しい映画でも見なくては。

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