エンタメ小説を書きたい人のための黄金パターン100 榎本秋 アスペクト

創作の「守離破」のために

ライトノベルを書きたい人の本の著者、榎本秋さんがエンタメ小説を書きたいと希望する人に向け、物語の構成としてよく利用される黄金パターンを100個紹介し、創作の足がかりとなるようパターン一つ一つを見開きで解説した本。

あらゆる物語はパターンの組み合わせで出来ている。すべてがオリジナルという物語は現在には存在しない。受け手にとってオリジナルティというものは決してうれしい要素ではない、とまで著者は言い切ります。
総じて、オリジナルなアイディアとは『誰かが見つけたけど、面白くないから誰も使わなかった』となりやすい。

では、編集者や批評家が口にする『オリジナルティ』とは何か?
すでに存在するパターンに独自の工夫をこらしたり、既存のものをアレンジすることで、その著者ならではの『オリジナルティ』が生まれてくる、と著者は説きます。

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オリジナリティとは何か?

こう考えると分かりやすいかもしれません。すでに存在する物語のパターンとは食材です。同じ食材を使っても、料理人が違えば出来上がる料理も違います。日本料理、フランス料理、イタリア料理、中華料理。また、同じ日本料理でも、同じ料理でも、料理した人が違えば見た目や味が変わってくる。オリジナルティとはこのようなものなのでしょう。

100の黄金パターンを紹介した後、著者はこう記述する。パターンはあくまでもパターンだ。ぞれ単体では何の役にも立たない。(中略)どのパターンを組み合わせるのか、どうアレンジをしていくのかを考えられなければ「どこかで見たような作品」という印象しか与えられない。
この本を読み終えても、オリジナリティに迷う人はこの言葉をもう一度考えてみるべきです。

この手の本は正直使い方が難しい。それこそ、パターンを知っても、それだけでは創作の役に立たないからだ。類書でその点に留意している本は皆無だが、この本はどう組み合わせるか、どうアレンジしたらいいのかについて一歩踏み込んだ記述があるのが素晴らしい。ラノベにスポーツものが向かない理由、納得です。
私も、おとボクSS「お姉さまのタイブレーク」で散々苦労しましたから分かります。テニスの試合風景を、文章だけで描写することの難しさといったら、もう毎日毎日、夜中に目が覚めるほどでした。

閑話休題。
個人的には、巻末の主要参考資料にソフトバンククリエイティブの事典が紹介されているのがよかったです。これらの事典は創作の糧になること間違いありません。
この本が気に入った人は、同じ著者が書いた『エンタメ小説を書きたい人のための黄金パターン100 キャラクター編』もお勧めです。

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