文章添削トレーニング 古郡廷治 ちくま新書

執筆の前、添削の後

客観的な情報を伝える文章には、どんな原則があるのか。著者は対照的な二つの文章を比較しながら、文章を書くうえでの「当たり前」と「原則と基本」について解説する。

文章は伝達、文章は理解

この本の特徴は構成にあります。この本は八つの章(完全な文を書く、短い文を書く、肯定・能動の文を書 く、結束性のある文を書く、主題のある段落を書く、論理性のある文章を書く、的確な語句を使って書く、日本語の文章は日本語で書く)から成り立っています が、すべての章が「原則・原則の周辺・要点と補習・余談の時間」の四つの項目で構成されています。

時間がない人、手っ取り早く要点だけを知りたい人は、要点と補習だけを読めばいいでしょう。ですが、要点と補習は三ページほどしかありませんので、できれば他の項目も目を通した方がよいでしょう。面白さでいえば、余談の時間が抜群です。

4480057897
文章添削トレーニング―八つの原則 (ちくま新書)

- スポンサードリンク -

文章は目的に合わせて正解が変わる

著者は文章が目的に合わせて正解が変わる一例として、論理的な文章と感覚的な文章を比較し解説します。ビジネスでは論理的な文章が求められますが、論理的なだけの文章は時に非人間的で機械的な印象を与えます。また、小説やエッセイなどでは感覚的や感情的な文章が常ですが、だからといって非論理的な文章が不要な訳ではありません。

著者は「文章の構造の正誤」「短い文と長い文」「肯定・能動と否定・受動」などでも、それぞれを比較し特徴を述べています。

文章添削の八つの原則

客観的な情報を伝えるための文章を添削する八つの原則を解説するこの本は、構成も的確で語り口も丁寧です。文章に対する固定化した思考(文章は短い方がいい・文末はですます・文章は論理的であるべき)がなく、伝達と理解を重視した添削の方針は客観的な情報を伝える文章以外にも応用が利きそうです。

この本は文章添削の八つの原則を解説し、伝達と理解を重視した文章を推敲する上で気にかける点・注意する点を分かりやすく説明した本です。

- スポンサードリンク -