文具の流儀 土橋正 東京書籍

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文具メーカーは現代の刀鍛冶なのか

誰もが使ったことのある文具。では、ロングセラーを誇る文具を生んだ「こだわり」や「技術」とは何か? この本では、小さな文具一つに対し、人はどのように考え、どのように行動したかを「こだわり」と「技術」の二つの視点から解説する。

昨今の文具ブームに便乗した、文具の機構や機能、オフィスにおける使い勝手について解説した本ではありません。いえ、文具の機構や機能も解説していますが、それはあくまで補足的なもの。本筋ではありません。

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人はいかに文房具と向き合ったのか

ロングセラーを誇る文具とそうでない文具は何が違うのか。この本ではロングセラーを誇る三十八アイテムを取り上げ、その文房具が生まれた経緯、歴史、企業風土について取材し解説します。
取り上げている文具は、鉛筆、消しゴム、鉛筆削り、シャープペンの芯、ボールペン、シャチハタ印、油性マーカー、ポストイット、メモ帳、万年筆、カッター、ファイルケース、糊、スケッチブック、ノート、原稿用紙、ファイルボックス、ペンなどなど。あえて製品名や企業名は出しません。(一部バレバレなのもありますが)

文具に宿る企業文化

この本の特徴は、その文具が生まれた経緯を取材している点にあります。文房具を製品化する過程、つまり「ものづくり」の精神に着目し、製品を生み出した個々の企業文化に迫っていきます。ロングセラーを生み出した哲学=ロングセラーを生み出す企業文化とは何か?

最近になって、日本では企業文化が必要不可欠なものとして叫ばれるようになってきました。理由は明白。技術は一朝一夕で真似されてしまいますが企業文化は簡単には真似できないからです。つまり、企業の利益追求の手段として注目されているのです。しかし、利益のために企業文化を求めるのは如何なものでしょうか。そう考えるのも、この本を読むと企業文化とは企業の利益のためだけに存在する訳ではないことが分かるからです。

職人は文具の夢を見る

文具メーカーの「ものづくり」の姿勢を取材した本に『頑張る日本の文房具 ジャパニーズ定番ステーショナリーの実力』があります。頑張る日本の文房具はムック本ですので、企業の開発部や広報への取材内容がそのまま掲載されていますが、この本では、著者の目を通して企業や企業文化を解説しています。

この本は、あなたの手の延長となってくれる文具が生まれた経緯や製品に息づく技術やこだわりを解説することで、読者により文具を身近に感じてもらうことを目的とした本です。

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