山下俊彦が語る人が育ついい話 山下俊彦(談) 高多清在(構成) 中経出版

成果主義の失敗

企業、労働者が共に栄えるために経営者は何に留意すべきか、人が働くことで生きがいを感じるためには何が必要なのかを山下跳びで知られる元松下電器産業の社長、山下俊彦が語った本。

仕事を楽しみに変えられるか

1992年(平成4年)に出版された本とは思えないほど、時代を先取りした本です。
正直、今のパナソニックの経営陣に読ませたい。いや、目次の見出しだけでも暗唱させるべきでしょう。一介の取締役から松下幸之助の肝いりで社長になった男の言葉は重みが違います。

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山下俊彦が語る人が育ついい話

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企業を動かすのは金ではなく人である

では人を動かすものは何か?
山下氏はロシアの作家ゴーリキーの戯曲「どん底」のセリフ『仕事が楽しみならば人生は極楽だ。仕事が義務ならば人生は地獄だ』を引用し、乾電池工場のエピソードを紹介して全人格的能力が発揮される場を与えられれば人は喜んで働くと力説します。

では、全人格的能力が発揮できる場とはどんな場所でしょう?

山下氏は仕事の種類を問わず自分の仕事が周囲から認められる場所こそ、人は持っている能力を発揮できると説明します。その一方で山下氏は、働きがいや生きがいとは与えられるものではなく、自ら見つけ出すものである、とも主張します。
会社が働きがいのある仕事を与えてくれるのを雛のように口を開けて待っていても無意味である、と。

働きがいは生きがいと同義である

この話は、経営者、労働者双方に耳の痛い話です。
なぜなら、経営者として社員に難しい仕事を与えればいいというものではなく、労働者として与えられる仕事をこなしているだけでもダメだからです。

睡眠をのぞいた人生の約半分を仕事で占める私たちはどうすべきか。よりよい人材に会社で働いてもらうにはどうすればいいか。そのヒントがこの本の中に詰まっています。過ぎた話になりますが、電子産業の経営者たちがこの本を読んでいれば技術者たちの流出を防げたかもしれません。

失敗を責めず道を示す

この本には上司としての心構えも説いています。松下幸之助が生来的には短気だったとは意外でした。個人的に人の話を聞くイメージがありましたし。熱海会議とか。
自分の失敗を部下に転嫁する上司もサラリーマンなら誰でも心当たりがありそうです。

......さて、見つけるとしますか。自分だけの働きがいというやつを。
探せるかな......見つかるといいなぁ。

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