迷ったら、二つとも買え! 島地勝彦 朝日新書

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無駄遣いのために働く人となれ

元週刊プレイボーイの編集長である著者が「節約」と「貯金」がいかに人生を暗くつらいものにしているか、「浪費」と「無駄遣い」がいかに人生を豊かにしてくれるかを語った本。

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浪費と無駄遣いは人生のオイル

著者は浪費と無駄使いこそがセンスを磨き物事に対する自分なりのこだわりを確立させると己の体験を元に語るが、その体験談に登場する人物が並外れた人ばかりで驚かされた。開高健(美食作家)始まり、柴田錬三郎(剣豪作家)、今東光(瀬戸内寂聴と縁のある人)などの名前からは、著者が過去に交流してきた人脈の深さを感じさせる。

身の丈に合った借金必要論

浪費と無駄遣いの有益さを説き、お金がなければ借金してでも買いなさいとそそのかす著者だが、身の丈と合わない借金は身の丈を超えた恋と同じで人生を壊すことになるときつく戒めている。身の丈に合わない借金とは自分の収入以上のお金を借りること。つまり著者は浪費や無駄遣いという衝動的な行為を計画的に実行することを暗に求めているのだ。

男はロマンティックな愚か者であれ

著者が借金をしてでも欲しいものは買うべきと主張するのは、欲しいものを手に入れることで人生に張りと潤いが生まれるから。日々楽しくすごせば毎日の仕事にも力がはいるというもの。貯金や節約といった我慢ばかりしていては心にモヤがたまってしまう。自分のためにお金を使ってこそ自分の人生は豊かになる。

邪道で下品な無駄遣いとは

浪費と無駄遣いを愛する著者には看過できないものがあります。それは自分の虚栄心を満足させるためだけの浪費や無駄遣いです。中国や韓国の成金の例をあげ、敬意がない浪費・人のためにならない無駄遣いは周りの人間にとって迷惑であるだけでなく失礼であると非難します。
そこに愛はあるのか、と。

そんなに生きてどうするの?

なまじお金を残しても遺産相続の種になるだけで、いいことなど一つもない。また、貯金ではセンスは磨かれないし節約では人は集まらない。
生まれた時からセンスのいい人間などいない。その人が見たり聞いたり感じたりしたことが、その人のセンスとなって形作られるのだ。例えば親がどれだけお金を使っていたか。どれだけ親がこだわりを持っていたか。どれだけ親と子が語り合ったか。どれだけ友人と物の良し悪しの話をしたか。

誰もケチな人より気前がいい人のほうが好き

身銭を切るほうがセンスは磨かれると著者は力説します。服、靴、シガー、メガネ、時計、本などは自分の収入の中で買うべきであり、特に本については「教養」が関係してくるので図書館などで借りるのではなく自腹で買うほうが望ましいそうです。

自発的にセンスを磨くのなら浪費&無駄遣い

ということは、センスを磨くには新品である必要はないということですね?
逆に祖母や母から引き継がれたエルメスの鞄ではセンスは磨かれないということですか? その鞄に歴史があるのであって、持ち主自身にはセンスの欠片もないということがあえりると。センスのいいものを持っていたとしても、必ずしもその人のセンスの良さを表さない訳ですか。うーん、納得。

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