考える力をつけるための「読む」技術 妹尾堅一郎 ダイヤモンド社

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解釈と解読、事実と意見、客観と主観

制作・メディア研究科教授の著者が情報をどう取得し処理し発信すればいいのか分からないと悩む読者に、知り得た情報を正確に解釈し解読する方法、事実と意見を見分ける方法、客観と主観を混同しない方法について解説した本。

ビジネスマン向けに「読む」とはどういうことかを講釈した本。同じ著者が書いた「知的情報の読み方」は読みやすく分かりやすい本だったが、こちらは少し知的レベルがが高い読者を想定しているようだ。内容も濃く、かなり深いところまで考察している。

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考える力をつけるための「読む」技術―情報の解読と解釈

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すべては読むことから始まる

データと情報の違いについて分かりやすい解説がされていて、まず引き込まれる。続いて、デタラメな解釈が自分勝手な解読へとつながる危険性、図表のメリットデメリット、図表や統計の意図を読む必然性など、情報を読むうえで必要な技術についての解説、そして各媒体の利点と欠点を紹介していく。

後半から読書法についても触れている。独特なのが、教材として教科書を取り上げいてる点だろう。専門書や入門書を取り上げる本は多々あれど、一般に入手しづらい教科書について語った本は少ない。これは、著者が大学院教授であることも関係している。本書の基になった授業があるのだ。

インターネットは万能薬ではない

また、ウェブサイトを利用するさいの注意点にも言及しているが、実例として取り上げている実験が面白い。与えられた問題の解答をインターネットから解答を探し出す実験なのだが、これが出題側の予想以上に正解率が低い。いかにして解答者が検索の落とし穴にはまったか、インターネットに頼りすぎた解答者が自分で物事を考えず情報を鵜呑みする現状が浮かび上がっている。

個人的には、より入門者向きな「知的情報の読み方」を推しますが、さらに上を目指す人には9章「学問と理論を読む」があるこの本をお勧めします。

この本は、情報過多な現代においてどのような手段で情報を入手し、入手した情報をどう検証して自分の中に位置づけるかを解説した本です。

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