先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 小林朋道 築地書館

校内で動物が? ...素晴らしい

鳥取環境大学で動物行動学および人間行動学を教える著者が、大学構内および大学の周辺で起きた動物にまつわる事件について人間も含めた動物の特性と生物の進化をベースに解説した本。とくかく、動物好きにはたまらない本です。

はにぃさんのブログを読んで。

動物との触れ合い

この本では様々な動物が所狭しと事件を引き起こします。コウモリ、ハムスター、ヘビ、シカ、アナグマ、ネズミ、アリ、ヤツメウナギ、イモリ、テン、タヌ キ、ハト、ヤギなどなど。大学構内や大学周辺のフィールドワークで著者は様々な動物と触れ合うのですが、動物の生態を肌で感じるたびに動物好きな著者は喜 びに打ち震えます。......素晴らしい。

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ナチュラリストの恍惚

たとえば――。飼っていたヘビに指を飲み込まれそうになり、ヘビの吐き戻し行為(ヘビは飲み込めないと判断すると獲物を吐き戻す)で事なきを得た著者が指先の感覚を反すうしては得難い体験に胸を熱くしたり。

野生のアナグマの子供にまとわりつかれ、気性が荒くなっている母アナグマがすぐ側にいると知りながら子アナグマを抱き上げたい衝動にかられたり。
GPSを取りつけたタヌキの行動を知るため、後日高額な請求が来ることが分かっていても一日中何度も何度もパソコンでタヌキの現在座標を確認しては悦に入ったり。
分かります、動物好きとして共感できます。というか、私も体験したいです。ヒミズ見たいです(心叫

星の下に生まれた理由

世の中には特定の事件に何度も巻き込まれる人がいます。例えば、著者は動物が原因の事件によく行き当たるのですが、ではなぜ、その人の周りには似たような事件が立て続けに起こるのでしょうか。
その理由を著者は、自然界(身の回り)である出来事が起こると、その出来事に関連した事象に対する人間の脳の反応速度が増大するからだと推測します。

著者の場合は、樹の揺れや小さな物音といった、普通の人では見逃してしまう動きや音に無意識に脳が反応している訳です。著者は動物に関する知識や経験から、五感に入っていた情報を瞬時に分析し現在起こっていること推測し、これから起こりうることを予測します。

結果、自分の予測の正誤を確かめるために行動した先で、木を揺らしていた動物と対面する。これが著者が行く先々で動物をめぐって何かが起こる理由です。
この脳の癖は、人が大自然の中で生きていくには必要不可欠の能力でした。

擬人化は根源的で重要な思考形態

動物にまつわる様々なエピソードを紹介しながら、なぜ脳がそのような癖を持つに至ったかを解説するだけではなく、環境情報学部・環境情報マネイジメント学科の学科長を務める著者らしく、生息域の孤立化による遺伝的な劣化についてや動物好きに限らず人間が他の動物を擬人化する理由についても言及している。

あ、擬人化といってもオタクがするのとは少し違う。それぞれの種の習性を考慮しない擬人化は深みに欠けるそうですよ?
ヤギと別れるときは、メーと声をかけてあげるといいそうです。

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