大空のサムライ 上 坂井三郎 講談社

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空がサムライの生きる道

太平洋戦争でゼロ戦を駆って戦ったエースバイロットとして有名な著者が、ゼロ戦にまつわる自身の半生をつづった回想録。

サムライは死闘の果てに何を見たか?

そこらへんのラノベより楽しめた一冊。
回想録なのに漫才でいうところの『つかみ』があるのには驚きました。
南海の上空で絶体絶命のピンチに陥り、死を目前にする酒井。そこから彼の生い立ち、軍へ入隊する切っ掛けと軍での生活、飛行士を目指して毎日訓練に明け暮れる日々の記述が続きます。

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戦場の武士道

海軍航空隊を卒業(卒業式では坂井は恩賜の銀時計を貰っている)後、戦闘機乗りとして任務に励む坂井の様子も詳しく書かれ、中国での初戦果、敵機につい て、 中国奥地にある敵基地での戦闘の詳細が坂井の視点で語られます。大空のサムライでは、中国で何を食べ何を飲んだか、基地での生活、中国の人々の様子などは 一切触れられていません。本の最初から最後まで戦闘機(主にゼロ戦)を使用した作戦についてのみ解説しています。

中国から台湾に戻った坂井は台湾航空隊の一員としてフィリピン攻略に参加、さらに歴戦のゼロ戦パイロットとしてラバウル基地やラエ基地へと転戦するのですが、坂井はそこで多くのパイロットたちと出会います。ゼロ戦で大空を飛ぶ朋友であり戦果を競い合うライバルでもある、エースとたたえられた男たち。彼らとの交流の描写からは、ゼロ戦で戦うパイロットとしての誇りがひしひしと伝わってきます。しばしのあいだ戦争が持つ陰湿さを忘れてしまうほどです。

しかし、戦場では多くの敵味方が命を散らしています。そればゼロ戦パイロットたちも例外ではありません。戦友の死に涙した坂井は気持ちを新たに敵戦闘機を一機でも多く落とすことを誓うのです。

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