コミュニケーション力を高める文章の技術 芦永奈雄 フォレスト出版

自分自身との交渉

この本ではコミュニケーション力が高い人=文章力がある人との観点から、文章が苦手な人と得意な人では意識や考え方がどのように違うのかを解説し文章力の上達を目指します。

コミュニケーション力が高い人の文章はそうでない人と何が違うのか?
著者は伝わる文章を書くためには、まず書き手である貴方自身の意識を変える必要があると説きます。

コミュニケーションに必要なもの

まず、コミュニケーション力=文章力の根っこは文章の技法や技巧ではない、と著者は断言します。コミュニケーション力が低い人の原因はそんな小手先のことではない。

書きたいことを書いていても、文章力は上達しません。書きたいことを書くのではなく、相手が読みたい文章を書いてこそ文章力=コミュニケーション力は上達するからです。

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悪循環をぶっちぎれ

しかし待ってください。相手が読みたい文章が何かを理解出来る人=コミュニケーション力の高い人ということは、文章が苦手な人は相手が読みたい文章が何か気づけない訳ですから、このままでは一生文章力が上達する機会がありません。

だから、文章を書くのが苦手な人は文章の技法や技巧を学ぶより他者に対する意識や考え方を変えなければならないのです。

変わるきっかけ

しかし、いきなり他者に対する意識や考え方を変えろといわれても、ハイそうですかと変えれる訳がありません。そこで著者は形から入ることを提案します。形がないものは真似ることはできませんが、形があるものは真似ることができるからです。

著者が提案する形とは「感情を書かないこと」「事実を書くこと」「結果を最後に書くこと」です。

もちろん、この三つ以外にも題材の探し方や構成の妙やテーマを持つことの重要性を説きますが、私的に思わず膝を打った喩えがあったので紹介しましょう。

お洒落は誰のために

本の中で著者は男女のオシャレに対する意識の違いをあげています。もっぱら男性のお洒落は「自分が好きなものを身につける」ことですが、多くの女性にとってのお洒落とは「好きなものを身につけた自分が他人にどう見えるか」という視点が欠かせません。

この「他人に自分がどう見えるか」を考える点が男性のお洒落と女性のお洒落の違いです。他人の視線を常に意識することで女性のお洒落に対するセンスは磨かれていくのです。

文章も同じです。自分が書いた文章が他人の目にどう写り、自分は読者にどういった印象を持たれているのかを想像することが文章上達の近道であると著者は力説します。

読者はどこにいる人ぞ

文章読本などで『読者を想定した文章を書きなさい』といった解説をよく見かけます。しかし、私は今までこれを『読者の知的レベルを想定すること』と思っていました。読者がどう思うか、つまり『感情』をまったく気にかけてこなかったのです。

なるほど、そういう意味だったんですね。この本を読んで、目からウロコが落ちました。

都合のいい客観的視点

......でも、自分の頭のなかで想定する読者(他人)は自分が作り上げた仮想の存在なだけに自分に不利な意見は絶対に口にしないのですが、その場合はどうしたらいいのでしょうね。

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