公園・神社の樹木 渡辺一夫 築地書館

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東京都に点在する公園にそびえ立つ木々には、どんな歴史が隠されているのか。公園の生い立ちとそこに立っている木々の歴史を紐解いて語った本。

公園に生い立ちあり

この本で取り上げている公園は、新宿御苑・日比谷公園・水元公園・自然教育園・明治神宮・井の頭恩賜公園・大国魂神社・東京都立桜ヶ丘公園の八つで、公園ごとに一つの章を立て公園に生えている樹木の来歴を紹介している。

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プラタナスが嫌われる理由

意外と東京に緑が多いことは知っていましたが、それぞれの来歴までは知りませんでした。

新宿御苑のユリノキの大木は日本に輸入された最初の木々だったとか、西欧的な街並みを作るため街路樹に求められた要因についてとか。種や苗木の段階で銀杏の木の雌雄を見分けるのことは出来ないって知ってました?

 だから、ほとんどの銀杏は接ぎ木をしたものを街路樹として植えているそうです。ちなみに植えられる銀杏のほとんどが雄。理由は分かりますよね?

木々に歴史あり

同じに見える木々もに生育条件や環境適性などに違いがあります。

松などの針葉樹は広葉樹と比べて排気ガスなどの大気汚染に弱いこと、東京は楠の木が自生する北限に近いこと、杉は水気を好むこと、落葉広葉樹より常緑広葉樹の方が防火能力が高いこと、針葉樹の松などはよく燃えてしまうこと、日本人は縄文時代には栗を栽培していたこと......。

そして何よりも驚いたのは木にも寿命があることです。

日本人と木々とのつながり

まあ、当たり前といえば当たり前なんですが、人間と比べて遥かに長いだけで木にも寿命があります。なので、この本に紹介されている木のほとんどは江戸時代以降に人の手によって植えられたものです。

また、意外と環境の変化に弱い一面もあります。里山が人の手を借りないと維持できないように公園の木々も人の手によって整備されなければその姿を変えてしまいます。天然更新だけではなく、人の手によって公園の木々は更新されていたのです。時代時代の人々の様々な思惑によって。

公園の木々を訪ねて

この本を読んで、公園に植えられている木々にも意外な来歴があることを知りました。まさか大隈重信や井伊直政や渋沢栄一の名前を見るとは思いませんでしたよ。広い公園を作るとなれば政治家の一人や二人、避けては通れないんですねぇ。

井伊家のモミの木だけが残った

東京に住んでいる方は、この本で紹介されている公園に足を運ばれてはいかがでしょうか? きっと今まで気づかなかった景色が広がることと思います。もしかしたら皆さんの身近にも、この本で紹介されているような歴史や由来を持った樹木があるかもしれませんね。

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