成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか 大谷和利 講談社

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写真はつかむことが出来る

ビジュアルを制するものはビジネスを制すをスローガンに、なぜビジュアル=写真が企業にとって必要不可欠なのかを豊富な実例を交えて紹介した本。

! んんっ?

この本の中表紙に仕掛けられたちょっとしたイタズラに、写真が企業にとって必要不可欠である理由が込められています。
種明かしをすると、表紙と遊び紙をめくると中表紙があるのですが、中表紙は赤い紙に白抜き文字でタイトルがあり、真ん中が白く抜かれています。繰り抜かれた白地に浮かび上がる文字。

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記事のない写真

何のことはない。後ろの目次か透けて見えているだけという、種がバレてしまえば少しの不思議もありません。しかし、一瞬視線を奪われ、疑問が頭をよぎったのも事実。

つまり、写真は文章と違って文字が読めない人でも一瞬で引き付ける力を持つのです。おそらく、優れた写真は人種や性別、世代を超えて人を注目させるだけの力を持つのでしょう。

求む!力のある写真 

企業が求めている写真はそういった写真です。ただし、そういった力のある写真は偶然手に入ったりしません。そのため企業は、手元になければ世界中を探し、探しても見つからなければ自分たちが理想とする写真を作ったりもします。それだけ1枚の写真が影響力を持つからです。

さらに企業は影響力を最大限に活かすために、ときには無料で世界中のマスコミに写真を配信したりしています。サッカーのワールドカップやオリンピックなどで実際に行われている方法です。

記事>写真=新聞

一方で、日本の企業は発想の転換が必要だと著者は力説します。
昭和から平成にかけて、企業にとって写真とは文章を補足するものであって、それ以上の価値はありませんでした。未だに多くの企業にとって、写真は文章を補足するものという認識が占めます。これはなぜか?
そこには日本独特の事情がありました。

識字率の高さです。

高い識字率の罠

江戸時代から世界のどこよりも識字率が高かった日本では、誰もが普通に文字が読めました。今でもほとんどの人が文字を読めます。日本は誰でも文字が読める社会であるがゆえに、写真の持つ力を誤解していたのかもしれません。写真では詳しいことは伝わらない、と。

江戸時代の浮世絵はコマーシャルの先駆者だというのに......。まさか、識字率の高さが仇となるとは。コマーシャルの世界は奥が深い。

写真、少なくない?

写真の重要性を語るこの本に掲載されている写真は220ページ中合計12枚。その中でもっとも印象に残っている写真は二つの金魚鉢と金魚が写った写真です。
どんな写真か、分かりますか? 面白い写真ですから、ぜひ一度見てみてください。

余談

巻末の『おわりに 個人も企業も「出る杭」が伸びていく』にある企業の改革の妨げとなるCRAP(コンセンサス・リスク回避の姿勢・アナリシス・プロセス)は意外でした。

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