THE SUIT スーツの教科書 中村達也 学研

スーツは仕事着ではない

就活に東奔西走する大学生どころか社会人でも意外とおざなりになっているスーツについて、シルエットによる三つのおおまかな分類(分かりますか?)から、会社での着こなしまでを解説した本。

スーツ選びは良質な店員選びから

シルエットによる三つスタイル、イギリス、アメリカ、イタリアのそれぞれのディテールの 違い、よくありがちな疑問に答えるQ&Aコーナーもあり、とても初心者のことを考えた構成になっています。写真が多くすごく分かりやすいことが、このメン ズファッションの教科書シリーズが第十弾まで続いた理由でしょう。

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お洒落=金をケチらないこと

Vゾーンを変化させることによる相手に与える印象の変化、TPOによる着こなし、靴・カバンについて、スーツやワイシャツの手入れの仕方、アイロンやクリーニングの基礎知識など、初心者が知りたいと思っていることが詳しく解説されています。

しかし、春夏で三着、秋冬で三着、一年に合計六着を着回すスタイルは、いくらスーツのためとはいえ初心者(あと入社したての新入社員)には敷居が高いような気がします。今や企業のほとんどが完全週休二日制であること、ヨーロッパと違って日本の夏は蒸し暑く、半袖のワイシャツやクールビズがビジネス(五月からが一般的)の場で定着していることを考えれば、春夏で一着、秋冬で二着、一年に合計三着で着回せると思いますが、それではお洒落とはいえないのでしょうね。

まあエグゼクティブなビジネスの場では、不快指数が七十五を超える夏でも背広を着るのがルールだそうですが......。(シャツは下着なんだそうです。白いTシャツみたいなものですかね)

シリーズ全十巻を買えば脱初心者?

ただ、シリーズを通してみると無駄も結構ある。
例えば、この本のシャツについての記事はシリーズNo.四のシャツ&タイの本と当然一部内容ががぶる。おそらく全十冊うち十%は内容が重複しているのではないか。
かといって一冊にまとめてしまうと本の値段が高くなる。また分けて出版したほうが、興味のある分野だけ買うことができるという購入側のメリットもある。一冊にすると、解説を増やすために写真を減らさざる得なくなる。

......うーん、難しい。でも、初心者向けと割り切るならば、メンズファッションの教科書シリーズは成功なのだと思います。また、このシリーズの続刊に『THE SUTIT MASTER(ザ・スーツマスター)』という本もありますので、最新のトレンドが知りたい方は手にとってみてはいかがでしょうか。

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