自分のアタマで考えよう ちきりん ダイヤモンド社

大学教授が書いた本にも負けない内容

頭の中の知識に影響を受けることなく、客観的な思考を元に主観的な判断をくだす方法について解説した本。

知識と思考を分離せよ

判断は偏見や先入観に影響を受けやすい。序章で著者は、偏見や先入観をなくすことの重要性をプロ野球ファンの年齢別構成比表を例に解説します。
1970年と2010年のプロ野球ファンの年齢別構成比表を見比べると2010年の構成比表が半分以上を40代以上が占めていることが分かります。この結果から、貴方は何を考えますか? 否定な意見? それとも肯定な意見?

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考えるという行為を考える

第一章では、会議を重ねても何も決まらないのは「意思決定のプロセス」を最初に設定しておかないからだ、と喝破します。
意思決定のプロセスは超具体的でなければならないこと。考えるとはインプットをアウトプットに変換すること。作業と思考の違いについて詳しく解説します。

第二章では、情報を前に考えることとして「なぜ?」と「だからなんなの?」をあげています。特に数字の情報を目にした時は、必ずこの二つについて考えることと念を押しています。
第三章では増え続ける生活保護について考える時、あらゆる可能性を検討しなければならないと力説します。著者の「格安生活圏構想」は面白いと思います。健康で文化的な最低限の生活を営むための生活費が高いですよね、日本は。

比較したうえで判断せよ

第四章では比較について、第五章では判断基準について解説します。
比較するうえで必要なのが、何と何を比較するのか、どの点を比較するのかという二点です。もちろん、比較対象や比較項目は三つでも四つでも構いません。世界経済の縦横比較には目から鱗が落ちました。
第五章では、婚活女子を例に判断基準が多すぎると判断を下せないこと。判断基準は「目標の姿」から導き出されるべきであることを説きます。

マスメディアを比較することの必然性

第六章では、比較や議論をするうえで比較対象や比較項目のレベルを揃えることの必然性を、第七章では就活を例に、情報量ではなく情報をふるいにかけるフィルターが大切な理由を説きます。第八章では、データーに隠されたウソを見破るためにデーターを追い詰める必要性を、第九章では目的(比較項目)にあったグラフの選び方についてを説きます。

終章は第一章から第八章までのまとめとして、9.11を報道する代表的な日米英メディア(NHK、CNN、BBC)の報道姿勢の違いを例に情報の価値や自分なりの判断基準の求め方について解説します。

学びて思わざれば則ち罔し

ちきりんという著者名やビジネス書らしくないポップな本の表紙からは想像できないほど、しっかりとした内容でした。自分のアタマで考えることの楽しさを著者はこの本で何度も説いています。
考えることを楽しいと思えるほど勉強してこなかったので、つい楽をしたいばかりに入門書やビジネス書を買い求めてしまう自分を戒めたいと思います。でも、下手な考え休むに似たりと言うじゃないですか。手っ取り早く本を読んで得た知識を、さも自分で考えたように得意顔で語りたいとも思うんです。

楽しさを追求するなら、考えることより妄想することのほうがハッピーになれますしね。
でも、それだけじゃダメなんですね?

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