社会心理学がとってもよくわかる本 榊博文 東京書店

人の心を動かすための天・地・人

人は「どんなときに心が動かされるのか」といった個人と対人に関係する社会心理学を紹介し、どうすれば相手を説得できるのか、どうすれば騙されずにすむのかについて例をあげて挿絵つきで解説 している。

人に騙されないために

この本の前半部分は、社会心理学についての基礎知識と普段から私たちはどのようなシチュエーションで心が動かされるのか、何を理由に信じてしまうのか、環境が人の心に与える影響などについて、詳しく解説している。

人 はレッテルというフィルターを通すことで効率よく情報を取捨選択していること。高齢者が頑固な理由。流行のカギを握る同調行動について。何を理由に人は人 を信頼するのか。優れた判断力と批判能力を持った知的な人ほど心を動かされやすい訳。政治家が高級料亭で密談する理由。

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人を説得するために

4章は人を動かす定番心理テクニックについて、5章では人を動かす上級心理テクニックについて解説しています。
実は3章までは前書きで、4章と5章が著者が一番書きたかったことであり、前章を受けて6章では容易に騙されない人になるための方法について言及しています。

人 の心を動かす心理テクニックと聞いて、まず思い出すのがセールスマンのテクニックでしょう。この本でも、単純接触効果、フット・イン・ザ・ドア・テクニッ ク、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック、ザッツ・ノット・オール・テクニック、ロー・ボール・テクニック、初頭効果、新近効果などが紹介されていま す。ところで心理テクニックで面白いのが、説得材料の順序によって微妙にテクニックが違うことです。

例をあげると、フットインザテクニッ クとドアインザフェイステクニック、初頭効果と新近効果があります。容易に承諾できる要求を先にして承諾が難しい要求が後なのがフットインザテクニック、 承諾できない要求を先にして承諾できる要求を後にするのがドアインザフェイステクニック。説得材料を先に持ってくるのが初頭効果、後に説得材料を持ってく るのが新近効果といった具合にです。

このほかにも両面呈示と一面呈示、結論明示と結論保留などがあり、これらのテクニックは要求内容、説得する人、説得頻度、聞き手の関心度によって使い分ける必要があるそうです。

これもワナか!!

説得されることと騙されることは紙一重であり、頑固であることの有効性を説きます。
心を動かされない鉄則として、

  1. 取り消しのきかない公表をする
  2. 信念を他の認知と結びつける
  3. 説得に抵抗的な認知の状態を作る
  4. 説得に対して予備訓練を行なう

の四つをあげ、合わせて承諾誘導の専門家の六つの手口(返報性・コミットメントと一貫性・社会的証明・好意・権威・希少性)を紹介し、カルト団体を寄せつけない心構えの必要性を説きます。

騙されません、読んだ後は

この本は、人を説得する方法と人に騙されない方法を抱き合わせで解説した本です。面白可笑しい挿絵つきで、語り口も平易で紹介される事例も身近なも のばかりなので、とても読みやすく分かりやすい。人から信頼を得る技術、騙されない心構えのハウツー本としてお勧めできる入門書です。

カツラであることを打ち明けるのは結婚後がいいのか......。

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