読んですぐ身につく「反論力」養成ノート 香西秀信 亜紀書房

繰り返し学ぶ一途さが「地力」を養う

その議論は貴方が勝っても相手が勝ってもいい。なぜなら議論の対象になる二つの事象は、やじろべえのように釣り合っているからだ。でなければ、議論にならない。では、貴方が勝つためには、どんなテクニックがあるのか? この本では相手の論理を崩す方法について解説している。

香西秀信で検索してみたら......あぁ、「論より詭弁 反論理的思考のすすめ」を書いた人か。納得。

なぜ議論になるのか?

強者と弱者では普通は議論にならない。損と得でも誰が見ても明らかだ。結局議論になるものとは、双方ともメリット・デメリットが混在しているもの、不確定要素が多くてどちらに転ぶか分からないものなど、はっきりと判断を下せないものが議論の的として取り上げられる。

上手く事が運べば賞賛され、下手を打てば罵倒される。議論の題材になるものとは、その程度のものなのだ。だから、その議論は貴方が勝っても相手が勝ってもいい。正しいものが勝つのではなく、勝ったものが正しいのだ。

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コツは相手に多く語らせ考えさせること

論理でやり込めてはいけない。論理の矛盾を突くこと。得意になって喋らせれば人はミスを犯す。人間が説得的と感じる論証方法は「類あるいは定義からの議論」と「因果関係からの議論」の二つが代表的だが、この二つに反論するには「似ていないこと」や「因果関係がないこと」を論ずればいい。

そして、その技術を身につけるためには多くの反論技術に触れることが必要と説く。つまり、反論技術を身につけるコツなどない。一途に先人たちの議論に目を通し、読み解くことが地力をつけるには必要と説く。本の後半では、マスコミなどで実際に交わされた議論を教材として取り上げている。

先決問題要求、争点すり替え、立証責任、多義用語、etc

注意点として、この本は論理的な解説書なので人格を攻撃するような人を相手にしていない。そのような、まともに議論する気のない相手に対抗する術については、「ネット時代の反論術 (著)仲正 昌樹」が私怨を交えて詳しく解説しているのでお勧めです。

この本は議論を深めるに値する人との議論の場において、相手の言質を捕らえ、相手の主張をひっくり返すことを目的とした技術・論法について解説した本です。

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