楽しい気象観察図鑑 武田康男[文・写真] 草思社

見上げてごらん~♪ 昼の空を♪

当たり前すぎて普段は気にも留めない空を舞台にした様々な気象現象について、科学的知識だけではなく観察することを主眼に著者の実体験交え「天」の気象を写真つきで解説した本。

彩雲♪ それは~君が見た光~♪

楽しい気象観察図鑑は五つの章(雲、雨と風、氷と雪、大気での光の変化、大気が作る色)からなり、雲や雨といった日常の生活の場で観察できる気象現象から蜃気楼やオーロラといったなかなかお目にかかれない気象現象まで、鮮明な写真つきで解説している。

とにかく写真が豊富で、飛行機の窓から撮った写真(積乱雲のてっぺんを上から撮影したもの)や山に登って撮った写真(北アルプスのブロッケン現象)など、解説されている気象には必ず一つ以上の写真が掲載されている。正直すごい分かりやすい。
が、反対に写真と比べて、説明文の方はどこか抜けた感があるのは否めない。

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かなとこ雲はなぜできる?

一つ例に取ると、この本には地球の大気構成についての説明がない。なぜ、雲が高度約1500メートル以上に存在しないのか、その説明がない。大気圏の解説がないから流星痕やオーロラの解説が物足りなく感じる。まあ、気象は対流圏で起こる事象だから成層圏より上の大気については割愛してもいい。が、やはり対流圏の解説は欲しかった。

気象「天」の入門書としては十分合格

しかし、この本は入門書であって専門書でない。少なくともこのページ数に、これだけの気象現象について豊富な写真つきで解説している本を初めて見た。
特に空を春夏秋冬の四季ごとに段を立てて解説しているページが好きです。六日間にわたる午前九時の空の様子を撮影した一連の写真は、四季の空の特徴をつかんでいると感じます。

温暖前線と寒冷前線、貿易風と偏西風の違い、台風の上空と地表付近の風向き、竜巻とつむじ風の違い、雪が二十分かけて降ること、あられと凍雨、霧と霜の違い、夕日は水平線より下にあること、誰もが見ている地球の影、空の青と海の青の違いなどなど、解説されている内容は多岐にわたります。付録の気象写真の撮り方も良かったです。あ、著者は高校の先生なんですね、納得。

この本は著者の体験を交え、気象をより身近に感じられるよう美しい写真を例に科学的な解説を加えた気象観察の入門書です。

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