エッセイ脳 岸本葉子 中央公論新社

エッセイストにとって、何よりこわい「あ、そう」

エッセイの基本要件である「自分の書きたいことを他者が読みたくなるように書く」ために必要なことについて、他者が読みたくなる条件、エッセイで一番大事なもの、文章の三つの働き、読み手を意識した情報開示方法などの、学べば伸ばすことの出来る技術について解説した本。

「ある、ある、へえーっ、そうなんだ」を目指す

他者が読みたくなるエッセイとは、興味が持てる題材を読みやすい文章で書いたエッ セイ。エッセイでは、起承転結の「転」が書きたいことの中心である。文章の三つの働きとは、枠組み(説明)の文章、描写の文章、セリフの文章のこと。五里 霧中の読者のために著者がしなければならないことなど、エッセイを書くうえで書き手が気を配らなければならない点を解説するこの本は、エッセイだけではな く他人に文章を読んでもらって評価が決まる書き手の必読の書といえる。

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「描写」を「枠組み」で引き締める

第二章ですが、枠組みの文を頭に働きかける文、描写やセリフを感覚に働きかける文と定義しています。枠組みの文で理解を、描写やセリフで追体験を読者に与えること。出来ればどちらかに偏ることなく、また主観と客観を織り交ぜること。カメラワークを意識した構成で自然に読ませること。枠組みの文を書くうえでの注意点と描写やセリフを書くうえでの注意点。

第三章では、自分は他者ではないという視点に立ってエッセイを書くことをの重要性を強調します。書き出しにおけるリスク回避について、情報は少しずつ開示すること。情報の出し方の順番として、空間、動線、時系列、既知から未知へ、話の方向性と話の塊、話を削ったり伸ばしたりするためのコツ。

第四章では、言葉の選び方や比喩。文の見た目や音感。タイトルの付け方、推敲について解説します。言葉を選ぶ際の注意点として、正確性、整合性、語感の三つをあげています。また、語感にページを割いているのもこの章の特徴です。文字や語感が読み手の心理に及ぼす影響を考慮すること。常套句には共通のイメージがあるため伝達性が高いこと。自分をパロディー化したりデフォルメして読み手の心理的敷居をさげること。

「何? ある、ある、へえーっ、そうなんだ、それでかぁ!」

個人的には、「です・ます」を混用する理由として著者があげた、導入・注意・弛緩の解説が勉強になりました。

この本は、自分が見たもの聞いたもの考えたことなどブログで公開したいと考えている読者に、他人が読みたくなるようなエッセイを自分目線で書くための方法を詳細に解説した本です。

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