高校生からわかるイスラム世界 池上彰 ホーム社

イスラムが世界を動かす

世界の宗教人口第二位であるイスラム教について、ユダヤ教やキリスト教との相違やイスラム教徒が守るべき戒律、第一次世界大戦以後の中東情勢の推移やイスラム金融の仕組みを分かりやすく解説した本。

イスラム教は怖い。そう思っている方もいることでしょう。
だが、この本を読めばその印象は誤解であることが分かります。

「人が神の言葉に従って生きれば、必ず神はその人をお救いくださる。『コーラン(クルアーン)』に従い『ハーディス(ムハンドマの言行録)』に習い、五つの行為(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、メッカ巡礼)を忘れず、神を信じて生きること」

上記はこの本を読んでの私なりの要約ですが、イスラムの教えは慈悲と寛容に満ちています。排他的や攻撃的な印象は受けませんでした。

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よりよく生き、よりよく死ぬために

著者もコーランの教えとして
「ユダヤ教でもキリスト教でも、自分たちの聖書(旧約聖書・新約聖書)の教えとコーランの教えを等しく扱い、神を敬い、神の教えを守れば、神から報酬を戴ける(要約)」
という一文を紹介しています。

イスラムとヒゲ

「ジハード(イスラム教のための戦い)で死んだ者はすぐに天国に行く」と「自殺した者は地獄へ行く」という、二つの教え。
スンニ派とシーア派の対立は、宗教的な理由による対立ではなく政治的な理由による対立であること。イスラム教原理主義者という言葉はキリスト教原理主義者という言葉から生まれたこと。イスラム原理主義と過激派はイコールではないこと。イスラム教以外の人々によって、中東問題(アフガニスタンもふくむ)やパレスチナ問題が発生したこと。

など、目から鱗が落ちるような事実が、読みやすく分かりやすい文章か書かれています。さすが池上さん、この本なら中学生や小学生でも読めますよ。

惜しむらしくは、イスラム金融についての解説が要点のみで具体例も一つしかなかったことです。しかし、そこは池上さん。
利子を取ってはならないというイスラムの教えと銀行業務の両立、投資はコーランの教えを守る会社に限るという大原則。この二点を解説しているのでイスラム金融のイロハのイは読者にも伝わったことでしょう。

この本は、小学生にも読めるよう分かりやすい言葉を選び、イスラム教やイスラム教を取り巻くさまざまな事柄について解説した本です。

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