ジャーナリズム崩壊 上杉 隆 幻冬舎新書

記者クラブは日本のマスコミそのものである

フリーのジャーナリストである著者が、自分の体験や日本で活躍する外国人記者の話を例にあげ、日本の記者クラブという存在がいかにジャーナリズムに反しているかを力説した本。

記者クラブの問題点として著者は以下をあげている。

  • 取材窓口を独占し特権的な地位にある
  • 閉鎖的かつ排他的で記者クラブ以外の取材活動を阻害している
  • 取材相手の政治家・官僚に近づきすぎて、記者クラブ自体が政治力をもっている
  • 報道姿勢が国際的基準から大きく逸脱している
  • 公正かつ客観的な報道を標榜しながら、偏向した報道姿勢を貫いている

いろいろと思い当たるのではないでしょうか?

この本を読んで、僕は二枚舌のコウモリの姿を想像しました。権力にも国民にも、その巧みな弁舌をふるって取り入るコウモリ。虎の威を借りる狐なら ぬ、国民の威を借りるマスコミです。あくまで主観ですが、新聞・テレビなどでのマスコミの言動が無責任で真剣みがなく、どこか他人事のように聞こえること があります。その原因が公正で客観的な報道姿勢にあるとしたら、すぐに改めるべきだと思います。

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ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)

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マスコミそのものが既得権益を手放さない抵抗勢力

著者は日本のマスコミを欧米のマスコミと比較し、日本のマスコミの異常性を浮き彫りにしていきます。また著者は市民とマスコミの関係にも言及します。市民とマスコミの理想的な関係を一言で言い表せば「マスコミの言い分を鵜呑みにするな」でしょう。欧米と違って日本のマスコミは自分たちの利益を第一にしている、というのです。なるほど。マスコミはいついかなる時も第三者の立場を守り、事の当事者になることを拒みます。マスコミが唯一当事者の立場で行動したのは、自分たちの利権が侵害されようとしたときだけです。

著者はマスコミを見分ける一つの指標として

  • 自分たちの立場(判断の立脚点)を明確にしない
  • 何でもかんでも「国民のため」という曖昧な単語で話を締める

の二つをあげ、この二つを乱用するマスコミには懐疑的にならなければいけない、と力説します。

報道の世界にある、情報のインサイダー取引

政治を変えるのが国民なら、マスコミをかえるのもの国民である。日本人が考えている以上に民主国家の主権を正しく扱うのは一筋縄ではいかないようです。人の振り見て我が振り直せ、ってね。

追記 11/02/12

著者である上杉隆さんは事実を事実として読者に提示し、その事実について自分の視点で是非を論じることのできるジャーナリストの一人です。もちろん彼の意見に同意できるものもあれば同意できないものもあります。しかし彼ほど事実を正確に伝えようと努めているジャーナリストはどれほどいるでしょう。少なくとも、自らの立場を隠さないという一点でも、大メディアの記者との優劣ははっきりしていると思います。もちろん、大メディアが×ですよ?

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