あらゆる領収書は経費で落とせる 大村大次郎 中央公論新社

すべての領収書は経費に通ず

経費として税務署に認められる条件を提示し、ありとあらゆる領収書を経費で落とす方法について解説した本。

前もって宣言します。この本に過度な期待はしないでください。この本は節税の指南書でも脱税の方法論でもありません。
著者が語る経費として税務署に認められる条件とは、その経費に業務実態があることです。どんな用途で使われたとしても、それが業務としての実体を伴う(社会的常識の範囲内という制限はありますが)ものなら、税務署は経費として認めざる得ない。

- スポンサードリンク -

2ドア車でも経費でOK!

だからそれが業務としての実態を少しでも伴えば、あらゆる領収書は経費で落とせることになる、というのが著者の主張です。
逆をいえば、税務署が認めても社内の規約で認められなかったり、株主や監査役から経費の内実を責められることはある訳です。

また、落とせたとしてもすべて落とせるとは限りません。業務時間が短ければ、全額を認められることは稀です。客のいない個人商店が、朝から晩まで開いている理由の一つがここにあります。

経費は企業経営の敵か?

面白いと思ったのは、生活費を会社の経費で落とすことで会社も従業員も潤うと論じた点。
例えば、社員が給料としてお金を貰えば当然税金がかかります。支払った会社は社会保険料を払わなければいけませんし、受け取った社員も所得税や市民税県民税として税金を払わなければいけません。

経費で利益をコントロールする

しかし、これを経費として車や家を支給したらどうでしょう?
経費として認められれば、会社も社員も税金を払う義務はなくなります。もちろん経費として認められるには、あれこれ業務と関係づける必要はあります。

が、実現すれば会社も社員も無駄な(?)出費が抑えられることでWIN&WINの関係を築くことが出来るのです。

申告納税制度の実態

この本では経費についてだけではなく、税法上のグレーゾーンについても解説しています。
税務署員にも得手不得手があり、時折間違った指摘をする税務署員が大勢いること。税務署のネットワークは緻密で広大なこと。領収書がなくても条件さえ満たせば経費として認められること。

てきとーな申告が許される白色申告の魅力。十五三一。大半の開業医は収入の7割が経費として認められること。談合金は経費で落せること。

スラスラ読めて、経費と納税のについての知識がつくこの本は、事業者だけではなくサラリーマンにもおすすめの本です。著者にはぜひ、サラリーマンのために特定支出控除についての本を書いてほしい。

余談

この本を読んでちょっと興味を持ったので調べてみたのですが、消費税ってすべての事業者が支払っている訳ではないんですね。聞きかじりですが、課税売上高が一千万円以上の事業者だけに納税義務が生じるのだとか。
えっ、納税されなかった消費税はどうなるの?

- スポンサードリンク -