「よかれ」の思い込みが、会社をダメにする 岸良裕司 ダイヤモンド社

よかれと思った改革がすべてを悪化させる

全体最適の問題解決入門の著者、岸良裕司が、製造から流通、在庫などのコスト管理、現場の効率化、利益の出る売価といったビジネスにおける問題のとらえ方とその解決方法について解説した本。

仮定とは、実際とは無関係に想定されること

コスト下げれば利益が増える、大量生産すれば安くなる、大量購入すれば安くなる、お客さまに近づけば市場が見える、効率を上げれば利益が増える、ゆとりがあれば納期は守れる、早く作れば早くできる、一生懸命働けば効率が上がる、お客さまはコストダウンを求めている......。

どれも本当に正しいことなのか。これはあくまで仮定に過ぎないのではないか?

著者はいくら個々の部分を最適化しても、全体の最適化にはつながらないと説きます。モノゴトの見方を変えるという単純なことで、不可能に思えるようなパラダイムシフトを実現する。
これが著者が目指す全体最適化です。

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作りすぎはあの世行き

コストダウンをしても過剰在庫が発生すれば利益は出ない。生産工場、地域本部、小売店らが各々で倉庫を持つことで全体最適がなされ過剰な在庫を減らすことが出来る。過剰な脂肪は問題だが適正な脂肪は人間の健康に欠かせない。ダイナミックバッファマネジメントで在庫が市場需要の指標とすることができる。

効率を上げるのではなく、生産の流れを良くすること

カンバン方式の目的は、在庫を減らすことではなく生産の流れを良くすること。渋滞をなくすこと。ボトルネックを見つけ解消することがカンバン方式の目的です。生産現場の改善を目的としているものではなく、生産から販売のまでの全体を見通した渋滞の解消を図ること。
効率化による過剰在庫やコストダウンによる機会損失を問題視すべきと著者は力説します。

成果主義が、かえって成果の達成を妨げることがある

これも今までと考え方は同じで、個人という組織の中の一部分が業績を上げても全体の最適化にはならない。個人の我を捨てて支え合うことこそ全体最適への近道である。

これからのパラダイムシフト

この本の136ページ以降のまとめに書かれていた「需要の予測は小売店ではなくバラツキの少ない統計的に集約の効果があるところ(工場や集積倉庫)で行う」という記述には目から鱗が落ちました。

この本は、過去の実績があるために絶対視される「仮定の解決法」を見直すことで経営上のパラダイムシフトを起こし、業務の改善を目指す方法について解説した本です。

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