ボクは武士道フリークや! アレック・ベネット 小学館

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武士道とは「残心」と覚えたり

日本の高校に留学生としてやって来た著者が、剣道を知り武士道の奥深さに触れていく過程で、武士の道とは何かを考え実践していく日々をつづった本です。

武士道を勉強に日本へ

留学期間中に剣道の昇段試験に合格しニュージーランドに帰国した著者は仲間二人と三人で剣道道場を開きます。しかし、道場生の武道についての質問に答えられなかったことから、日本に武者修行の旅(比喩ではなく)に出ることを決意することに。

やがて国際武道文化セミナーで師と呼べる人物と出会い、短期留学の機会を得た著者はますます武道にのめり込んでいきます。
真剣に武道に打ち込む著者の姿に武道の神様も惚れたのか、三年かかって師を探せと言われる武道界で短い日本滞在中に良き師、良き先達との出会いを果たす著者。その経緯はサクセスストーリーと呼ぶにふさわしく、天は自ら助くる者を助くという格言そのままです。

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武士はどう生きたか?

『「甲陽軍鑑」における武士のエトス』という修士論文でカンタベリー大学を卒業した著者は、京都大学(国費留学生として通っていた)の大学院で「人間としての武士」の研究を続けます。
武士とは常に生と死の狭間にいた人たちでした。武士の成立のプロセスから死と隣り合わせの生活を余儀なくされた武士は、「人はいつか死ぬ。ではどう生きるか?」という目の前の命題を乗り越えなくてはなりませんでした。今日死ぬかもしれない、明日死ぬかもしれない。毎日そう考えていては人間の精神などすぐに参ってしまいます。では、武士はどうしたか。

その答えの一つが、葉隠の一節として有名な「武士道とは死ぬことと見つけたり」です。

武士は当時の人口の五%程度

合わせて著者は、江戸時代のダメ人間の見本のような武士の例をあげ、武士にもいろいろな武士がいたことを紹介しています。武士道を理解するのに、家柄も血も関係ない。そもそも、大半の日本人には武士の血は流れてはいない。だから武士道を理解するのに国籍は関係ない。武道をやるかやらないか、それが武士道を理解できるか否かを左右する。
サムライになりたいと考えている日本人は、まず武道を始めるべき、と著者は雄叫びをあげるのです。

残心が戦場での武士の心構えなら、克己復礼は平時における武士の心構えなのかもしれません。

武士道を知りたいと思う人は、まずこの本を読んでみてはいかがでしょうか?
読みやすく分かりやすく、そして武士道について書かれたどんな本より楽しい内容にまとめられています。過去の文献ではなく、武士道を修めんとする著者はまさに武道の生き証人なのですから。

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